秋の夜の涙川

秋の夜には、古文を読むと心が落ち着くものです。

私の心根は古代なのかもしれません。

ある言葉を見つけました。

「涙川」です。

万葉集にはない言葉です。

古今和歌集になると、

突如現れるのです。

その時代の流行語なのでしょうか。

多くのよみ人しらず

の方が歌っています。

涙を川と見立てたり、

激しく流れる涙を

たとえとして用いたり

しています。

その中から、

「涙川

枕ながるる

浮き寝には

夢もさだかに

見えずありける」

古今和歌集・よみ人しらず)

愛しい人を思って

川のように流す涙で

枕が流れるほどの

床では

とても寝られず、

あの方の夢さえも

はっきりと

見えなかったのだった。

すごい歌ですね。

古代では思う人が夢に現れると、

相手も自分のことを

思ってくれていると

いわれていました。

小野小町の歌にも

恋しい人の夢を見たさに

寝巻きを裏返しにして

寝たという歌があります。

寝巻きを裏返しにして

寝ると恋しい人の夢が

見られると

信じられていたからです。

涙川と寝巻きの裏返しに

恋しい人を思う

古代の人に

親しみを感じて

しまいます。

また、月を見ては

あの人もきっと

見ているに違いないと

歌ったり。

今は思う間もなく

メールが来る時代。

秋の夜くらい

古代に戻るのも

いいものですよ。

今日はシニアで

神社仏閣巡りして来ます。

古代の空気と

生きるエネルギーを

頂いて来ます。

雨なら

厄を流す

涙雨となるでしょう。

合掌